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「お前に娘はやらん」って言われたことありますか？あれ、けっこう心に効くんですよね。もう“言葉”っていうか、“武器”。しかも斧。命中率100%。こっちは誠意と、ちょっと背伸びした花束を持って行っただけなのに、返ってきたのは“お前”と“やらん”。問答無用のフルスイング。あの空気、完全に俺＝魔王。娘さん＝伝説の聖剣。いやいや、そんなラスボス感ありましたっけ僕。しかもその娘さん、僕のこと「好き」って言ってくれてますけど!? これは一体、本人不在の譲渡契約？「娘はモノじゃない」って言うわりに、“やる”“やらん”で話が進むの、皮肉すぎません？でも、思うんです。あのセリフって、もう“台詞”じゃなくて、“儀式”なんだなって。愛する娘を手放す男の、最後のプライド。「これでも昔は、世界一だったんだよ」という無言の叫び。40年分の抱っこや、寝かしつけや、お弁当の記憶が、あの一言に詰まってると思うと、ちょっとだけ泣きそうになる。